デジタル一眼レフに便利なポータブルフォトストレージを比較!


 年末年始は、帰省や旅行などでデジタルカメラを片手に出かける機会の多い時期ですが、そのような際に便利なのが「ポータブルフォトストレージ」と呼ばれる製品です。これは、ハードディスクとバッテリーを内蔵した携帯型のデバイスで、デジカメで撮影したメモリーカードをスロットに差し込めば、画像データをハードディスク内にコピーしてくれるというもの。パソコン不要でデータのバックアップが行えることから、出先で多くの写真を撮影するユーザーに支持を得ています。

 ポータブルフォトストレージは、各社からさまざまな製品が発売されていますが、この11月にソニーから新製品「HDPS-M10」が登場しました。ハードディスク容量は40GBと十分ながら、実売価格は3万円前後と低価格なのが魅力です。

画像のファイルサイズが大きなデジタル一眼レフカメラは、すぐにメモリーカードがいっぱいになってしまう。高価な大容量メモリーカードを何枚も買うよりは、格段に大容量のデータが記録できるポータブルフォトストレージを1台持っておくのがおすすめだ

 そこで、このジャンルではダントツのベストセラーとなっているセイコーエプソンの「PhotoFine Player P-2000/P-4000」と比較し、使い勝手を比較してみました。


価格や機能が対照的な2台をピックアップ!

 さっそく各モデルを手に出かけ、フィールドで実際に使ってみました。これらのポータブルフォトストレージでは、撮影を行って満杯になったメモリーカード内の画像データをいかに素速く、しかも簡単にバックアップできるかが求められます。


ソニー

HDPS-M10

実売価格:2万9800円

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ハードディスク容量:40GB

カードスロット:コンパクトフラッシュTypeII、メモリースティック




セイコーエプソン

PhotoFine Player
P-2000/P-4000


実売価格:5万9800円(P-2000)、7万4800円(P-4000)

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ハードディスク容量:40GB(P-2000)、80GB(P-4000)

カードスロット:コンパクトフラッシュTypeII、SDメモリーカード

 この観点から見て優れているのは、HDPS-M10です。本体の電源を入れてメモリーカードを差し込むと、モノクロ液晶ディスプレイに「コピー準備OK “COPY”で開始」というメッセージが現れます。この指示に従って、本体の大きな「COPY」ボタンを押せば、データのコピーが始まります。処理時間は、1GB分の転送を行った場合約3分50秒と、なかなか高速で実用性は高いと感じました。

 それに対してP-2000/P-4000は、メモリーカードの挿入後に現れるメニュー画面から「メモリカード」→「メモリカードからデータを取り込む」を選択し、OKボタンを押す必要があります。画面をまったく見なくてもボタン一発で操作できるHDPS-M10に対し、やや煩雑な印象は否めません。

●メモリーカードからハードディスクへの画像コピー速度比較
※キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D MarkII」で撮影した810万画素の画像430枚(合計約1GB、JPEG形式)を、各ポータブルフォトストレージのハードディスクにコピーするのにかかった時間を計測。メモリーカードは、レキサーメディア製の1GBコンパクトフラッシュ(80倍速)を使用。各機種で計測を3回行い、その平均値を算出した

 また、P-2000の場合は1GB分のデータの転送には約6分28秒かかるなど、この遅さは撮影現場ではちょっと気になりました。高速化が期待されたP-4000でも6分29秒と、P-2000と誤差ほどのスピード差しかありませんでした。

 操作性に関してはHDPS-M10の勝利といえますが、まだ改良の余地があるように感じます。できることなら、「カードを挿入すると自動的に電源が入ってコピーを開始し、コピーが完了するとディスプレイに“OK”の文字が点灯して主電源はオフになる」ぐらいの自動化が望まれます。

HDPS-M10は、ボタン類の数を最小限に抑えており、大きな「COPY」ボタンを押すだけで作業が行えるのが特徴。USB端子でパソコンと接続すれば、外付けハードディスクとして認識する P-2000/P-4000は、発色や精細感に優れる3.8型のPhtoFine液晶を搭載。数あるポータブルフォトストレージの中でも、表示の美しさはダントツ。動画の再生も楽しめるのもユニークだ

 転送した画像の確認を行うという点では、もちろんP-2000/P-4000の独壇場となります。3.8型のPhotoFine液晶は発色や精細感、視野角に優れており、撮った画像をみんなで鑑賞したい時などには便利です。さらに、AV出力端子を装備しているので、大画面テレビに接続しての再生も楽しめます。付加的な機能ですが、この美しい液晶モニターを生かしての動画再生機能も備えています。

 ただし、画像の細かなチェックやOK/NGカットの選出に使うのは難しいといえます。というのも、1枚の画像を表示するスピードが、600万画素モデルのJPEGファイルで4秒前後、800万画素モデルでは5秒前後かかり、たくさんの画像を次々にチェックするにはストレスがたまるからです。待たされることを気にしなければ、拡大再生によるピントの確認(JPEGファイルのみ)も行えます。

▼HDPS-M10 ▼P-2000/P-4000
コンパクトフラッシュTypeIIとメモリースティックスロットの2種類を搭載。メモリースティックDuoもアダプターなしで差し込めるのは便利だが、SDカードスロットは欲しかった 本体の上部に、コンパクトフラッシュTypeIIスロットとSDカードスロットを搭載。コンパクトフラッシュタイプのアダプターを別途用意すれば、xDピクチャーカードにも対応する

 メモリーカードスロットは、HDPS-M10がコンパクトフラッシュTypeIIとメモリースティック、P-2000/P-4000がコンパクトフラッシュTypeIIとSDメモリーカードとなっています。コンパクトデジカメのみならず、デジタル一眼レフカメラでもSDメモリーカードを採用する機種が増えたことを考えると、HDPS-M10には不満を感じます。ただし、別売りのSD→CFアダプターを介せば読み込めるので、あきらめる必要はありません。

 気になるバッテリーの寿命ですが、コンパクトフラッシュを利用した場合、P-4000が16GB分、HDPS-M10が15GB分の画像転送が行えます。P-2000は11GB分と少ないのですが、別売りの大容量バッテリーに交換することで寿命を延ばせます。

 HDPS-M10とP-2000はハードディスク容量が40GBで同じですが、価格差は倍もあります。美しい画像表示や動画再生に魅力を感じるならばP-2000/P-4000、あくまでもデータ保存だけをスピーディーに行いたいならばHDPS-M10がお薦めです。

 「写真はいっぱい撮りたいが、さすがに旅行の際は重たいノートパソコンは持って行きたくない…」という人は、自分の用途や目的に合ったポータブルフォトストレージを入手し、メモリーカードの残量を気にせずに撮影を楽しんでみてください。