

これまでカメラの主役だったフィルムカメラは、100年を超す長い歴史を持っています。しかし、ここ数年でデジタルカメラが急速に高性能化と低価格化を果たし、主役の座を奪いました。ここで、それぞれの違いやメリット・デメリットなどを、カメラの構造や仕組みから復習しておきましょう。
フィルムカメラとデジタルカメラは、レンズから入ってきた光を絞りとシャッターで制御して内部へ導く、という基本的な原理や構造がほとんど一緒ですが、大きく違うのが撮影した像を記録する方法です。フィルムカメラは、像を化学変化で記録するのに対し、デジタルカメラは撮像素子で光の変化を電気的に変換する、という具合に異なります。
フィルムカメラの場合、薬品を使った処理を行うことで、撮影時に光によって生じた化学変化が像となって現れます。それが現像というプロセスです。デジタルカメラの場合、撮像素子に入った光は電気信号に置き換えられ、さまざまな処理を経てメモリーカードにデータとして記録されます。フィルムカメラで現像に当たる部分はカメラ内で行うので、カードに記録されたデータはパソコンに接続すればすぐに見られるわけです。
 |
 |
| ▲
フィルムカメラは、化学処理が施されたフィルムに画像を記録する。主流は35mm判で、入手性に優れるうえ価格も手ごろなのがポイント。サイズを小型化した新しいAPS規格も存在するが、普及率はイマイチ。撮影したフィルムを現像するまでは、どんな写真が撮れたかがわからないのが欠点だ |
▲
デジタルカメラは、撮影した画像をデジタルデータとしてメモリーカードに記録する。各機種ごとに利用するメモリーカードの種類が異なり、本体を買い換えた際に使い回しできないことがあるのが欠点の1つ。ただし、撮影後に液晶モニターですぐ画像を見られ、不要な画像は削除できるなどメリットは多い |
また、撮影した写真をプリントする場合も、デジタルカメラならプリンターを使って自宅で好きな時間に作業が行えます。かたや、フィルムの現像や焼き付けは大がかりな設備や薬品などが必要になるため、自分で作業を行うのはほぼ不可能。業者に任せるしかないわけですが、どんなに早くても数十分から1時間程度必要なうえ、お金もかかってしまいます。
| ■撮影から写真の入手までに必要なプロセス |
 |
 |
 |
| ▲
フィルムを現像に出した場合、高速仕上げを売りにしているお店でも、写真を手にするまで1時間はかかってしまう。また、明らかに失敗と思える写真も選別することなく焼いてしまうことが多く、わざわざお金を払って恥ずかしい失敗写真の山を手にすることも… |
▲
デジタルカメラならば、安価なインクジェットプリンターを使って、写真画質のプリントが簡単に行える。PictBridgeに対応したプリンターを使用すれば、パソコンなしで手軽にプリントすることも可能だ。たった1枚だけのプリントも、気兼ねすることなく行える |
画像を得るまでの時間的なメリットだけでなく、金銭的なメリットが大きいのもデジタルカメラの特徴です。
フィルムは、1本あたりの価格が数百円前後と安いのに対し、メモリーカードは1枚で数千円〜数万円するなど、価格差があります。入手性に関しても、フィルムはコンビニや行楽地などで簡単に手に入りますが、メモリーカードはそれほど容易には入手できません。これだけを見ると、フィルムカメラの方が経済的で便利というイメージですが、実はそうともいえないのです。
 |
| ▲
1週間の海外旅行で300〜400枚ほどの写真を撮ると想定した場合、36枚撮りフィルムなら十数本は持っていく必要がある。それに対し、500万画素クラスのデジタルカメラならば、1GBのメモリーカード1枚あれば十分。この差は大きい! |
フィルムの場合、一度シャッターを切って撮影した場合、その上から別のシーンを上書きすることはできません。そのため、24枚や36枚といった枚数を撮り終えたら新しいものに交換しなければなりませんが、メモリーカードならば1枚のカードに100枚以上記録できることがほとんど。
また、デジタルカメラは撮影した画像を簡単に消せるというメリットがあります。画像を見ながら不要なものを消去することで、カードが一杯になったとしても空き容量を増やし、撮影を続けることができるのです。また、メモリーカードは何回も再利用できるので、一度買えば何度も使い回しできます。
 |
| ▲
デジカメの場合、撮影した画像が撮影直後に表示されるため、失敗だと感じたらその場で再度撮影をやり直し、失敗した画像はその場で削除できるのが大きな魅力。どう撮れたかが現像するまでわからないフィルムカメラと比べ、撮影時の安心感は大きい |
このように、ひととおり機材をそろえたあとは、ほとんどコストをかけずに撮影が行えるため、フィルムカメラでは金銭的に難しかったメモ用として利用する用途にも向いています。わざわざメモするのが面倒な電車やバスの時刻表なども、デジカメで撮影すれば正確かつ高速に記録できます。
 |
 |
| ▲
一度機材をそろえたあとは、撮影や画像の入手にほとんどお金をかける必要がないのがデジタルカメラのメリット。サイフのヒモを気にせず撮影できることを生かして、記念写真や作品を撮るだけでなく、高画質を生かしてメモの用途に使うのも賢い |
▲
メモ用途で実用性が高いのが、電車やバスの時刻表だ。手写しだと時間がかかるばかりか、写し間違いの可能性があるのに対し、デジタルカメラならばシャッターを押すだけで間違いなく記録できる。撮影後、画像をA4用紙などにプリントアウトすれば便利だ |
今回は、簡単にフィルムとデジタルの違いを紹介しましたが、次回でもっと詳しいメリットやデメリットを説明していくことにしましょう。
・デジカメは撮ったその場で画像が確認できる
・ボタン操作で不要な画像をすぐに削除できる
・フィルム代や現像代が不要で、撮影コストが安い
|
|