小物の撮影時に役立つグラデーションペーパーを格安で自作!


 小物を室内で撮影するとき、写真の仕上がりを大きく左右するのが背景です。以前に掲載したテクニックの記事では、プロが使う背景用のバックペーパーやグラデーションペーパーなどを紹介しましたが、品物によっては数千円ほどするため、試しに購入するには高すぎて手が出ない…と思っている人も少なくないでしょう。
▼小物の撮影に便利なグラデーションペーパーは意外と高い…
プロカメラマンが利用するグラデーションペーパー。美しい撮影ができ、耐久性があるのが魅力だが、大きさによって3000円〜1万円前後するなど、かなり高価なのが欠点

 そこでちょっと知恵を絞り、自宅のインクジェットプリンターを利用して、写真撮影に使う背景を自作することにしましょう。家庭用インクジェットプリンターで印刷できるサイズは、最大でA4やA3ノビに限られるため、大きなものを撮影する場合には適しませんが、ちょっとした撮影には十分な大きさのバックペーパーが作れます。

 それではまず、シンプルなグレーのグラデーションの背景を作ってみましょう。必要なのは、Photoshopをはじめとするフォトレタッチソフトで、フリーウエアなどのオンラインソフトでも構いません。画像の新規作成を選び、描画色をグレーにしたうえでグラデーションツールを使い、背景を上から下に塗りつぶすだけでOKです。

▼Photoshopなどのフォトレタッチソフトでグラデーションを作成、印刷
アドビシステムズのフォトレタッチソフト「Photoshop CS2」でグラデーションペーパーを作成してみた。メニューから画像の新規作成を選んだら、まず「グラデーションツール」を選択し、描画色を濃いめのグレーに設定。さらに、上から下に向けてマウスポインターをドラッグすればよい この簡単な作業で、下に向けて明るくなるグレーのグラデーションが完成。これをインクジェットプリンターでプリントアウトすればできあがりだ。グラデーションに方向性を持たせたり、別の色で試すのもおもしろそう
▼本物のグラデーションペーパーとそん色ない仕上がりに!
できあがったグラデーションペーパーを背後にセッティングして携帯電話を撮影してみた。壁からテーブルまで、緩やかなカーブを描くように垂らすのがコツだ これが自作グラデーションペーパーを使って撮影した例。背景がスッキリとしているため、携帯電話そのものが引き立つ仕上がりに。とても自作とは思えない!

 なお、印刷の際に使う用紙は、無光沢でやや厚手のものがベストです。写真用紙などの光沢のある紙を使うと、照明が用紙に反射してテカリが発生し、それを抑えるためのセッティングが難しくなってしまうからです。

 また、色のグラデーションに限らず、風景などの写真を印刷するのもおもしろいでしょう。これを垂らして撮影すれば、一風変わった写真に仕上げることも可能です。

▼写真を印刷すれば、ユニークな写真を撮ることも可能だ
今度は、夕暮れ時のレインボーブリッジの写真をプリントし、手前にミニカーを置いて撮影してみた。この場合、グラデーションペーパーのように手前に向かってカーブさせず、単純に壁に貼るだけでよいだろう。もちろん、あまりテーブルが写らないように撮りたい 思いがけず味のある仕上がりになった。プラモデルなどで、メインとなる被写体の背景を本物のように作り込む「ジオラマ」という手法があるが、今回はそれの写真版ともいえる。実際にはあり得ないシチュエーションを考えて、ユニークな写真を撮ってみるのも楽しそうだ

 アイデア次第で楽しい背景が低コストで作れるので、いろいろ試してみてください。

●今回のまとめ
・色のグラデーションをフォトレタッチソフトで作り、それをプリンターで印刷するだけで、手軽&安価にバックペーパーが作れる
・印刷に使う用紙は、無光沢で厚手のものがベスト
・写真を印刷して、ジオラマのような撮影を行うのもおもしろい