金属製の小物など、写り込みの激しいものをきれいに撮るには?


 オークションの出品時などに小物を撮影する際、特に難しいとされているのが、表面が鏡面仕上げになっている物体の撮影です。いってみれば、鏡を正面から撮影するようなもので、撮影している自分の姿が見事に写り込んでしまうと、みっともない仕上がりになってしまいます。また、カップなど曲線を描いているものの場合は、部屋の家具やベッドなど、周囲にあるさまざまなものが写り込んでしまいます。

 これを避けてきれいな写真を撮るのはプロでも難しく、さまざまなテクニックと大がかりなセットが必要となります。私たちのようなアマチュアが自宅で完璧な撮影を行うのは無理ですが、簡単な工夫でそこそこ見栄えがする写し方を紹介しましょう。

 今回被写体に選んだのは、ポリッシュ仕上げのステンレス製のミルクジャグです。まず、前回までと同様に小型のボックススタジオ内に置き、蛍光灯のデスクライトによる照明で撮影してみました。すると、予想通りミルクジャグの表面にいろいろなものが写り込んでしまい、とても見苦しい写真となってしまいました。

▼周囲のいろいろなものが被写体に写り込んでしまった…
ボックススタジオの中央にミルクジャグを置いて撮影してみた。かなり複雑なカーブを描いた形状なので、あらゆる部分にさまざまなものが写り込んでしまっている。ふだん生活している部屋の片隅で撮影すると、だいたいこんな感じの仕上がりになるが、もう少し何とかしたいところ

 とはいえ、よく見るとミルクジャグの左右上方はボックススタンドの白い壁が写り、この部分の見た目は悪くない印象です。しかし、下の方はバックから手前に垂らした布が写り込んでいるなど、前述の白い壁と完全に分かれてしまいました。左右の白い壁がもっと下の方まで伸びれば、美しいフォルムに仕上がりそうです。

 下の部分まで左右の壁を写り込ませたいのならば、ミルクジャグを布に直接ベタ置きするのではなく、ちょっと持ち上げたうえで設置するとよいでしょう。今回は、日曜大工の素材などがそろっているホームセンターで、透明アクリルのブロックを買ってきて、これにジャグを載せてみました。

▼下の方まで左右を白く見せることに成功!
アクリル製のキューブにミルクジャグを載せ、布に直接置かずに高い位置に上げた。こうすることで、左右の白い部分が下まで写り込み、シンプルな造形が際立った。白い部分をさらに下の方まで伸ばしたいならば、大きな白い紙で台の上から左右の壁までを覆い尽くす必要がある

 すると、最初よりすっきりした感じになりました。しかし、中心部を見ると、撮影者の腕や三脚、カメラなどがゴチャゴチャと写り込んでいるのが分かります。

 これを隠すには、写り込むと予想される場所に模造紙を置き、それを写り込ませるのがよいでしょう。もちろん、レンズの部分も覆っては撮影できないので、レンズの直径ぐらいの丸い穴を開け、そこからレンズだけを通して撮影するわけです。模造紙の色に関しては、金属的なイメージを出したいならば黒がよいでしょう。

▼黒い紙を写り込ませて撮影者をうまく隠しつつ、金属の質感をアップ!
黒の模造紙の中央に穴を開け、そこからカメラのレンズだけを出して撮影したところ、ジャグの中央部に写り込んでいた撮影者やカメラがほとんど分からなくなった。たとえ被写体が小さい場合でも、球体などは周囲が大きく写り込んでしまうので、大きめの模造紙を用意するとよい

 これで、ずいぶんと写り込みが整理されてスッキリとしたうえ、黒が加わって金属的な仕上がりになりました。被写体をよく見て、何が写り込んでいるかをよく理解したうえで、シンプルな造形になるように白や黒の紙を写り込ませるようにしましょう。

●今回のまとめ
・鏡面仕上げの金属などの品物は、写り込みを考えて撮影する
・大きな紙や布を写り込ませると、ゴチャゴチャした印象が薄れる
・撮影者が写り込む場合は、穴を開けた黒の模造紙を使う