ふだん何気なく装着しているレンズフードの効用とは?


 さて、フードを付けるのと付けないのとでは、どのような違いがあるのでしょうか?

 まず、フードを装着すると、よく晴れた日中の撮影で画面内に現れることの多い「ゴースト」の発生を防ぐことができます。ゴーストとは、映画などの朝のシーンなどでよく見られる、六角形や円形の写り込みのようなもののこと。肉眼では確認できませんが、レンズを使って撮影した画像に現れる現象です。

▼フードを装着して撮影した画像
▼フードを装着せずに撮影するとゴーストが発生!
同じシチュエーションで、フードを装着した状態(上)と未装着の状態(下)で撮影した。フードを装着しなかった画像は、円形と七角形の虹色のパターンが画面左上から右下にかけて連続して現れ、せっかくの雰囲気を壊してしまっている

 なお、すでに映画やテレビなどで視覚効果の1つとして定着していることから、わざと画面にゴーストを入れる表現を用いられることもあります。これは、どちらかといえば上級者向けのテクニックですが、覚えておくとよいでしょう。

 もう1つは、「フレア」と呼ばれる画面のコントラストの低下を抑えられます。フレアが発生すると、画面全体の締まりがなくなって白茶けた感じの写真になり、色が変わって見えることもあるなど、せっかくの雰囲気を台なしにしてしまいます。

▼フードを装着して撮影した画像
▼フードを装着せずに撮影すると、フレアにより画像の締まりがなくなる
こちらは、フード未装着時(下)にフレアが大きく発生した例。フード装着時(上)と比べると、画面全体に締まりがなくなっているのが分かる。さらに、レンズコーティングとの関係からか、ピンク色っぽい色かぶりが現れた

 フードには、以上のような画質劣化防止の効果があることが分かりました。とはいえ、近ごろはズームレンズが主流となっており、すべてのズーム域で効果的に不要光をカットすることは技術的にも難しいのです。そのため、レンズとフードの組み合わせによっては、効果をほとんど感じられないものが存在するのも事実です。

 しかし、フードは画質劣化を防ぐだけではありません。フードを装着することにより、撮影中や移動中にレンズの表面を衝撃からガードし、キズや指紋、汚れなどを付きにくくする効果があるのです。そのため、撮影中だけでなく、カメラを持ち運んでいる時もフードを付けたままにしておくよう心がけましょう。

▼前後を逆に取り付ければ未使用時に便利
ほとんどのレンズフードは、前後を逆にしてもレンズに取り付けられる。収納時や移動時にはこうしておけば、かさばらずに便利だ

 レンズによってはフードが付属せず、別売りになっている製品もあります。わざわざお金を払って用意するのは面倒ですが、ぜひとも入手しておきましょう。

●今回のまとめ
・フードは不要光をカットし、特定の光線状況下での画質劣化を防げる
・フードを正しく装着しないと、画面周囲にケラレが生じることも
・内蔵ストロボ使用時は、特にフードによるケラレに注意したい
・フードを装着していれば、レンズ表面の保護にも役立つ





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